スマホの中を
整理していた。
気づけば
ほとんどがあの子の写真だった。
まだ小さかった頃。
ぎこちない足取りで歩いていた日。
初めての散歩。
少し誇らしそうな顔をしていた。
無防備な寝顔。
こちらを安心しきったように、静かに眠っていた。
ページを送るたびに
時間がゆっくり戻っていく。
そして、最後の一枚。
静かに眠る姿。
あの日の、
あの時間で止まったままの写真。
指が、少しだけ止まる。
けれど——
ふと思う。
「この子は、“最後”じゃない」
画面の中の順番は
終わりを示しているのかもしれない。
でも、思い出は違う。
ふとした瞬間に浮かんで、
あの頃のまま、隣にいる。
全部が、つながっている。
あの日の笑顔も、
ぬくもりも、
何気ない時間も。
消えたわけじゃない。
ただ、かたちを変えて
ここにある。
スマホを閉じると
少しだけ、やさしい気持ちになった。
まるで今も
そばで見守ってくれているみたいに。