犬や猫は、家族の会話を聞いている?——いつもそばにいる小さな聞き役

いつもの会話のそばにいる存在

 

 

家族で話をしているとき。


ふと足元を見ると、愛犬がいつもの場所で眠っている。


電話で誰かと話していると、


愛猫が少し離れたところから、こちらをじっと見ている。


名前を呼んだわけでも、


その子に話しかけたわけでもないのに。


気がつけば、いつも家族の会話のそばにいる。


ペットと暮らしていると、そんなことはありませんか。

 

 

 

「もしかして、分かっている?」と思うとき

 

 

「ごはん」


「お散歩」


「おやつ」


そんな言葉を聞いた途端、眠っていたはずなのに顔を上げる。


その素早さに、思わず笑ってしまうことがあります。


でも、不思議なのはそれだけではありません。


家族で楽しそうに話していると、いつの間にか近くに来ていたり。


少し強い口調で話していると、こちらの様子をじっと見ていたり。


落ち込んでいる日に限って、いつもよりそばにいるように感じたり。


そんなとき、


「この子、分かっているのかな」


と思うことがあります。

 

 

 

言葉とは違うものを、感じているのかもしれない

 

 

もちろん、私たちが話している内容を、犬や猫が人間と同じように

 

理解しているとは限りません。


けれど、一緒に暮らしている時間が長くなるほど、私たち自身も相手のことを

 

言葉以外から分かるようになります。


今日はなんだか眠そう。


今はそっとしておいた方がよさそう。


そろそろ遊びたい顔をしている。


私たちがそうやって小さな変化を感じ取るように、犬や猫もまた、

 

声の調子や表情、動き、家の中の雰囲気から、何かを感じ取っているのかもしれません。


毎日同じ家で暮らしているからこそ分かる、


「いつもと同じ」と「今日は少し違う」。


言葉がなくても伝わるものは、きっとあるのでしょう。

 

 

 

返事がなくても、つい話しかけてしまう

 

 

「今日は疲れたよ」


「ちょっと聞いてよ」


「明日は晴れるかな」


考えてみれば、不思議です。


返事が返ってくるわけではないのに、私たちは犬や猫によく話しかけます。


こちらを見てくれることもあれば、耳だけ少し動かすこともある。


まるで聞いていないように、そのまま眠ってしまうことだってあります。


それでも、話しているうちに少し気持ちが軽くなる。


何かを解決してくれるわけでも、励ましてくれるわけでもないのに、


ただそこにいてくれるだけで、


誰かに話を聞いてもらったような気持ちになることがあります。

 

 

 

家族の出来事を、ずっとそばで聞いてきた

 

 

振り返ってみると、その子は家族のいろいろな時間のそばにいたのではないでしょうか。


嬉しい知らせが届いた日。


誰かの帰りを心配していた夜。


家族で大笑いした日。


ちょっとしたことで言い争ってしまった日。


子どもが成長して、家を出ていった日。


暮らしが変わった日。


人間同士の会話に参加することはなくても、


同じ部屋で、その声を聞きながら暮らしてきた。


そう考えると、犬や猫は家族の出来事を誰より近くで見てきた存在なのかもしれません。


写真には残っていない日も。


誰も覚えていないような、何でもない一日も。


その子は、そこにいました。

 

 

 

特別なことをしてくれなくても

 

 

ペットとの思い出というと、旅行へ行ったことや、一緒に遊んだこと、

 

かわいらしい仕草などを思い浮かべます。

 

けれど、本当にたくさんあったのは、もっと何でもない時間だったのではないでしょうか。

 

テレビを見ながら家族で話している、その足元で眠っている。

 

料理をしながら独り言を言うと、こちらを見る。

 

「行ってきます」と声をかける。

 

「ただいま」と帰ってくる。

 

そんな毎日の繰り返し。

 

何か特別なことをしてくれたから、大切な存在になったわけではありません。

 

私たちの暮らしの中に、ずっといてくれた。

 

それだけで、いつの間にか、かけがえのない家族になっていたのだと思います。

 

 

 

今日も、きっと聞いている

 

 

今日もこちらの話など聞いていないような顔をして、


いつもの場所で眠っている。

 

名前を呼んでも、耳だけ少し動かして終わりかもしれません。

 

それでも、同じ部屋にいて、

 

私たちの声を聞きながら過ごしている。

 

そんな何でもない時間も、


私たちが一緒に暮らした時間のひとつです。

 

だから今日も、

 

「ねえ、聞いてる?」

 

なんて話しかけてしまう。

 

返事はなくても。

 

そばにいてくれることが、もう十分な返事なのかもしれません。

 

 

 

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